京都山科で、最新の設備と技術による最高の仕上がりを実現する、鈑金工場「イシマ自工」
例えばドアを1枚ぶつけたとします。
最近の車のドアは衝突安全性の確保の為ドアビームという直径5cm程度の鉄パイプがドアの外側のパネルの裏側に装着されています。(車種によっては2本の車も)
このドアビームが衝突時にドア内部でふんばるため、最近の車はドアをぶつけても昔の車の様にボコンとへこむ事はありません。ドア全体が細かく波打った様なへこみ方になります。
ドアをぶつけた際に凹んだ箇所は、へこみ部分の鉄板がのびてしまっています。
このような状態のドアを鈑金する際には、裏側から叩くのですが、それだけでは綺麗に元に戻る事はありません。
一般的にはガスバーナー等による熱処理で縮めるという処理を施します。ここで手を抜いた作業を行うと、鈑金最終工程でのパテ使用量が増え、様々な悪影響を与える事になります。
つまり、大部分が伸びてしまっている状態からの鈑金には無理があることがお判り頂けると思います。
裏側から叩き、熱処理したドアは、続いてパテにより表面を綺麗にならす加工に移ります。このパテでの処理が、時間の経過に伴い劣化してしまうのですが、パテの処理方法をしっかりとしたか、しないかで、その劣化具合が大きく変わってきます。
例えば、品質の悪い、安価なパテやサフェーサーを使用して修理した場合、コストは大きく抑えられます。しかし、安価なパテの特長として挙げられる吸水性(水分をよく吸込みます)の高さが影響し、塗装に問題が出てしまいます。どのような問題かと言いますと、塗装後、乾燥の際に、パテやサフェーサーに塗料が染み込み、修理後間もなく、塗装のツヤが失われてしまうことが、必ず発生してきます。これは間違いなく、パテやサフェーサーの品質に問題があります。
また、パテの厚みにも問題があります。イシマ自工では、「出来る限り薄く狭く」を心がけ、処理を行っています。凹んだ箇所を、裏側から叩かずに、大量のパテを盛っても直ることは直ります。しかし、この方法だと、走行時の振動や、再度同じ箇所をぶつけた衝撃でパテがごっそりはがれ落ち、修理前より無惨な状態になる事があります。
また、パテを厚く盛り、乾ききっていない状態で塗装をすると、パテの水分が蒸発しようとします。もちろん塗装は水分を通しません。塗装面の真下まできた水分は、太陽熱により加熱され、膨張し、最終的には塗装面を破壊します。状態としては、水疱瘡をおこした様な感じになると想像してください。たとえしっかりパテが乾燥してから塗装しても品質の悪いパテを使用した時と同じ事が発生します。
上記のように広く深い面をパテで処理するには、塗装、耐久性などのリスクが発生します。それを踏まえると、パテでの処理は最小限に留めるのがべベストであることが、お判り頂けると思います。
パテ工程が終わった後に吹き付けする塗料の様なもの、一般的に塗装の下地等言われてるものです。種類は二つあり、1液性のラッカー系サフェーサーと2液性タイプがあります。
【1. 液性ラッカー系の特徴】
安価で取り扱いが楽で作業効率は高いが吸湿性が高く塗装の仕上がりに問題が発生しやすい。
【2. 液性タイプの特徴】
高価で作業には手間がかかり乾燥にも時間がかかるが、吸湿性は非常に低く高品質の塗装が維持できる。
イシマで使用するサフェーサーはもちろん「2. 液性タイプ」です。
自動車の鈑金修理には、凹みによりのびた鉄板の加熱処理や溶接作業によりかなりの熱を加えます。
鉄は加熱すると錆びが発生しやすくなります。この為修理個所には裏表両方からの徹底した防錆処理が必要になります。
ここで手をぬくとどうなるかは説明は不要かと思います。塗装面の裏側の見えない部分の防錆処理がいい加減だと、数年後に悲惨な事態になります。
お客様の気付かない間にどんどん内部で錆びがひろがり、気がついた時には手遅れ。修理工場になんとか保証で再修理してもらってもその部分はおそらく交換になってしまいます。当然査定価格にも影響はでるでしょう。修理工場が査定価格まで責任を持って対処するかどうかはとても難しい問題と言えます。
もちろん、イシマ自工では、細部に渡り、細やかな錆止め処理を行っていますので、ご安心ください。